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【2663】第2話 確信
2002/10/18(Fri)21:38 - 雪斐。 - Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1) - 5685 hit(s)

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「ただいま〜。」
今日は初めて交番で働いた日だったから早く帰してくれた。

「どう言うことよ?!!」
閉まった自動ドアの後に、バタバタと大きな足音を立てて妹が走ってきた。
「ただいま、claudia。」

俺はいつも通りに微笑んで靴を脱ごうとしたが、claudiaはそれを許さず俺の肩を掴んだ。
「答えてよ!!何で名前がないのよ!!」

彼女はそう言うと白い紙を俺の目の前に突き出して睨みつけた。

俺たちはいつもこんな兄妹じゃない。
喧嘩なんてほとんどしたことはないし、お互いよく理解しあっていた。
「おかんは知ってる?」
「言ってない・・・お願いだから答えてよ・・・はぐらかさないで。」
肩を掴んだclaudiaの腕がすっと離れた。

「これでいいんや。」
俺は妹の肩を叩くとそっと重い体を引きずって階段を上った。


部屋に戻った時、玄関から弾くような音がしたと思うと駆けていく足音が少しずつ小さくなっていった。

「これでよかったんや・・・」
俺は暗い部屋で小さくしゃがみ込んだ。


見上げた窓から見える空は闇に包まれている・・・星も月もない。

本当にそうだろうか。

もしこの空全てが誰かの作り物だったら

もしこの空の上にまた空があったら

星も月もある夜空があったら

こんな時、自分の正義感が憎くてたまらなくなる・・・



もうすぐ両親が帰ってくるだろう・・・そして俺に聞く。
「ねぇ、tetsu?claudiaは何処に行ったの?」
「おい。tetsu!!これはどう言うことなんだ!!」

俺は何て答えていいのか分からない。
ずっと考えてみたけど・・・
本当のことしか分からない。

本当のことしか知りたくない。



もう後には引けない・・・








「ねぇhyde?どうするの?」
夕飯を食べて部屋へ戻ろうとすると姉は思い出したように部屋から顔を覗かせた。

「どうするって。」
「地下移住の話。本当に地上に残るの?」
姉は大らかな人だから、そこらへんで小さなことに愚痴をこぼしている奴らとは比べものにならないほど徳がある。
今もいつものように何気なく言っているが、他の家ではどうやっているかなんて想像もつかない。
「あぁ。そうするつもり・・・けどお前は地下に行けよ。」
「そっか・・・また捕まらないように気をつけてね。」
姉は意地悪そうな笑みを浮かべた。

姉はあまり体が丈夫とは言えなかった。生まれつき血に異常があるらしい・・・
けれど今の生活では何の問題もないから普通に暮らしている。






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