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【2626】第十七章 「サヨナラと約束」
2002/2/19(Tue)20:58 - 風城空牙 - Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows 98) - 15618 hit(s)

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「ちょっと、皆来てくれへん?」
hydeは笑みを消し、すうっと息を吸って言った。
tetsuにはその声が、少しだけ震えているように聴こえた。


幾つもある窓から、少しずつ降りていく太陽が見える。斜めに差し込む陽光が、深紅の絨毯に影を落とす。
客室を出てから、hydeは振り返りもせず黙って歩いた。その後ろをついて行く六人もまた、黙ったままだ。
一番後ろにいた星夜は、少し早足で歩きながら小さく呟いた。
「・・・なんか、hydeさん、変」
「ん?何か言ったか?」
すぐ前を歩いていたkenがくるっと振り向いた。その声が聴こえたのだろう、tetsuとyukihiroも足を止める。蝶や愛羅まで振り向いたので、星夜は少し慌てた。
「う、ううん!何でもないよ!ほら、hydeさん行っちゃうよ!!」
星夜が悲鳴みたいな声を上げると、hydeが弾かれたように振り向いて、
「何してんの?」
大きな目を瞬かせた。
星夜が返答に困っていると、hydeはふっと顔を背け、
「・・・時間ないねん。早よ来てや」
苛立ったような声を出して、また歩き出した。


「皆、そこに円陣作って立って」
広間の真ん中を指差して、hydeが言った。
「なあ・・・何すんの?」
「うっさいわ。言う通りにすればええの」
ぴしゃりと言われて、訊ねたkenはむう、と唇を尖らせた。
ただ、hydeが酷く焦っている、という事は良く解ったので、それ以上は何も言わなかった。

「・・・・皆、準備ええな」

そう言ったhydeが、両手を胸の前に掲げ、低く何かを呟いて。
瞳を一瞬強く閉じ、見開いた時。
六人の足元が白く光った。
黒い大理石の床に、緻密で鮮やかな魔方陣が浮かび上がる。円形になっているそれからは、光が天井に向けて壁のように立ち上っていた。
『な、何これ!?』
星夜はそう言った、つもりだったが、その声は誰の耳にも届かなかった。自分の耳にも。
声だけではない、内外の音という音が消え失せていた。光の壁に吸い込まれたかのように。
それぞれが何かを叫んでいる様を冷めた目で見つめながら、hydeはゆっくりと光に歩み寄り。
tetsuの前で立ち止まった。
光に手を当てた。不思議な抵抗が掌に伝わり、くすぐったかった。
顔を上げると、tetsuの黒い瞳が戸惑ったように揺れていた。
hydeはその澄んだ輝きを見据えて、ゆっくりと、言葉を押し出すように口を開いた。

「・・・・俺、最後まで自分勝手やな」

でも、今は謝らない。

「もう、時間ないから、一つだけ」

最後の、我儘だけ。

「いつか、逢いに行くから」

やっと見つけた答えだけ。

「満月の夜に、逢いに行くから」

言わせて――――――。


hydeが言葉を紡ぐ間にも、壁に囲まれた六人の身体は少しずつ薄れていって。
全て言い終わるか否か、その刹那に。
tetsuの身体が――kenやyukihiro、星夜、蝶、愛羅の身体が、光の粒子となって消えた。


++++++++++++++++++++++++++++++++


・・・・・え〜、何だか色々ほざいておいてさっぱり更新してませんでした(爆死)
あっと言う間にこんなに間が・・・・ごめんなさいっ!!(土下座)
今友人に命狙われてて・・・・あっダムダム弾が(違)

あともうちょっとなので、頑張ります・・・と言いたいんですけど。
期末が!あと二週間ないんですよ!!どうしよう!!!
・・・・というわけで、細々と更新していきます・・・・(汗)



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