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2261 はぃ。 2001/11/21(Wed)18:49- 蝶(パピヨン) - 11945 hit(s)
なぜこんなにも更新できているのかというと
我が家に二代目のパソ子(命名ミシェル)がやってきたのですぅー(^^)v
わぁ〜い♪
てか、新しいのさきに出してごめんなさぃ。。
許して・・?(逃)


まいつん(謎)
がんばるぅー!!
わぁい♪んだばまいちんは良い人候補ね♪
了解あるね(-_☆)
まいちんのお話でhanaちゃとあいみちゃとkenゆっきぃがピンチやないですか!!
ゆっきぃ動かんし・・・
やばぁーいぃー!!
妖精さんはご主人様のところにかえれないのかにゃぁ?(うるうる)

愛羅つん
hyde君がらみでは一番最初に出てきていただきました(ぺこり)
愛羅嬢はいろいろ走ってくれるにょで(謎笑)
天使悪魔のhydeきゅんは揺れる乙女心ですな。ふむ(何)
tetsuは過去を思い出しつつありゅしねぇ・・・
あぁ!!むづかしいよ・・・むづかしい!!
頑張ってよむぞー!!おぉー!!

星夜ちゃ
おひさしぶりんこ
はぃはぃ。哲夫(誰)がらみね☆
まっかせんしゃい!!!
壮絶なバトルを・・(黙)
壮絶な絡みを用意しますです。
出るのちょっと遅れちゃう鴨だけれども。。
うん。ごめんねぇ??



お話は、想像の粋を越えたぶっ飛んだものになるかもねぇーえーーー(逃走)
2260 第一話 雪の項 2001/11/21(Wed)18:38- 蝶(パピヨン) - 11954 hit(s)


乾いた土にしんしんと淡く光る雪が降り積もる
それは少しだけ青みを帯びていてまるで海などを見ているような感覚を覚える
まだ誰も足を踏み入れた事のない冷たく柔らかな海原にむじゃきに足跡を残している子供の姿があった

歳は六才ほどであろう
現代ではあまり見られない成りをしていた
言ってみれば平安時代のような身形で、スゥッと伸びている袴を雪でぬらしているのだ
この美しい海原の雪をわざわざ汚しにかかるなど純粋と言うものは少し、怖い気もする

むじゃきに足跡を残す子供に、これまた同じ歳のくらいと思われるかわいらしい女の子がなれない雪の上をよたよたと歩いてくるではないか

「hyde様、hyde様、お父様がお呼びです」
少し息を切らせながらは、足跡を残す子供に言った
少女は本当に歳相応といったかんじで、ふっくらとした頬を寒さで赤らめている
急いできたのか、後ろで一つに結ってある長い黒髪を少しだけ乱していた

「・・・うん。わかった、君はすぐに戻りなよ」
hydeと呼ばれた少年は溜息をつき、雪を踏むのを止めて斜め後ろに立つ少女に振り返った

「はい・・・、でも愛羅はhyde様と一緒に行きたいのです」
hydeと目が合うとすぐ恥かしそうにうつむき小さな手でhydeの袴を掴んだ









古い屋敷内がバタバタとせわしなく動いているようだ
人々が行き交い、誰かを探している

「hyde様!!hyde様!!どこにおられます!!」
若い女官が声を張り上げていた
同じようにhydeを探す声が四方から聞こえてくる
平安を思わせる造りの屋敷は普段静かで、どちらかと言えばピンと糸が一本張っているような空気があるのだ

なぜ今日はこんなにバタバタとしているのかと言うと“主街道”というところで三年に一度開かれる式典があり、それに参加するはずのhydeを探していたからだ
“主街道”とは何か?その説明は後でするとして
式典開始時刻前に式場に間に合うようにするにはこの場所を早めに出ておかなければならない、なのに今日に限ってhydeの姿が見当たらない
縁の下を覗こうとも、押入れを引っ掻き回そうとも出てこないのである

「hyde様!!出発の刻は近いのですよ!!hyde様!!お父上もお呼びです!!」

そんな叫びにも似た声を遠く聞くと、hydeは愛羅の手を引き屋敷に向かい少しずつ歩きはじめた

「寒いだろう?」
「いいえ・・・」
愛羅は幼いながら恥じらいの表情を浮べ、hydeの手と自分の手が繋がっているのを嬉しく思った
屋敷の縁側までくるとhydeは目をつぶり、小さく口の中で何かを言うと自分の手を目元まで上げながら右から左に流した
すると、触れてもいないのに縁側の木彫りの戸がガタンと音を立てて開いたのだった

「スマナイ」
そう愛羅に言うとhydeはスィと石段を登り、縁側に立って「ココだ!!」そう、中に向かって言い放ち消えていった
愛羅はhydeの能力を不思議とは思わなかった
のちに自分もそんな能力を持つのだと解っていたからなのかもしれない
それどころか先ほどよりも、もっと顔を赤らめて目の前で起きた事に興奮しているようだ

「愛羅は・・・、愛羅はhyde様のいいなづけでいる事を幸せに思います」
両手を頬にやり、先ほどまで繋がっていた手のひらを暖かく思うのだった







「ココにおります」
大広間であぐらをかき機嫌悪そうに座る男の前にhydeはずぃと出た
「私はココです、とうさま」
父親らしき男は日本人離れした顔立ちの美しい人だ

「ふぅ・・・、ずいぶん手間をとらせるのだなhydeよ」
「申し訳ありません」
冷たく温かみのない言葉はためらいもなくhydeへ降り注ぐ
hydeは父親にも似た美しい顔立ちをしていた
幼くても見つめていればまやかしにかかったようになるほど見入ってしまう

「明日は主街道での式典があると知っての事か?
今の時間から出発せねばならぬと言うのに・・・」
質問と同時にhydeは父親の前に座り込む
「・・・」

「この式典には世継ぎであるおぬしが参加するということは決まっておる事なのだぞ」
「はい」
力なくhydeはうなずいた

「昔からの決まりごとじゃ、しかと役目を果たされよ
この国の後継ぎはお前だhyde、甘えるでないぞお前はお前でやらなければならぬ事がたくさんあるのだからな」
「しかし・・・」
思い余ってhydeは身を乗り出した
しかしそれも恐ろしいこの声にかき消されてしまう

「口答えをするのか!この父に!!」
「・・っ」
「お前にとって私の存在は絶対だ、逆らうなどもってのほか
急いで支度をし、式典へ言って参れ他の三つの国も王子殿も居られることだしな」
hydeはうつむきながら唇を強く噛んだ

「わかったのか!!!!」
「・・・は・・い」
「それでよいのだ」
地をも割れるような声で怒鳴り、hydeの返事を聞いて優越にひたったのか
唇を緩め微笑をしていた



























そのすぐ後に、hydeはお付きの者と愛羅と一緒に星の道(スターロード)を渡り主街道へと急ぐ

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2270 変身 2001/11/23(Fri)16:41- 蝶(パピヨン) - 12009 hit(s)
あー。
二話すっごい長いから心して読んでくらさい(>_<)
二つに分ければよかったのにぃ。。。
バカでごめんちゃい(T−T)ひぃーん
前の話はゆっくり行こうと思うにょで,今は出てくる案をすべて書ききらせてくださいな☆
尽きたらおとなしく前の話を載せるデス(爆)
ふぃぃ。。無才能(死)


星夜つん
平安の面持ちはhydeのみ〜(謎)
哲夫は未来的〜。さぁどうなるの〜?(笑)
星夜つんについては哲夫が持っていく花びらがキーになるにょ★
さて、どう出会うのでしょうか?
うふっ(含笑)
ファイナルアンサー!!?(>▽<)?

無花果ちゃん
んー。ぢゃ、蝶もいちってよぼっと(^-^)
いちは木でええんですか!!?煤i ̄□ ̄|||
まぁっ(笑)
男の子役とかでもよいのー?
悪い人でも良いのー??
意見もとめたり★

hanaつん
hanaつんは勝手に料理させてもらおっと♪(笑)
なんでも良いというご要望にお答えして☆
いじくりまわしてやるぅー!!!
うぅー!!(≧▽≦)v
つたない文章でごめんなさいねぃ(遠い目)
頑張って勉強するからぁ〜〜〜

愛羅ちょん
ありがたぅー(><)
愛羅ちゃんもお話がんばってがんばってー!!!
蝶はまだまだお勉強がたりませんょ。。
お話ちゃんと書けてないすぃ・・。。。
ほかの人と比べては凹むこと多し(死亡)
ミニ愛羅ちゃんは一体どうなるんでしょうかねぇ(無責任)( ̄− ̄;;)
あ。ぢゃぁミニ愛羅ちゃんとhyde君をもっともっとスキンシップさせちゃおぉーう♪
(抱)とかね・・ふひひひふひひひひひひひひひっひひひーーー(暴走)
2269 第二話 陽の項 2001/11/23(Fri)16:04- 蝶(パピヨン) - 12032 hit(s)


「なぜ行かなくてはならないのですか!!」
バンッと目の前にある黄金に輝くなが机を両手で叩いた
獣のような表情を浮べてその机の先にいる者を全身で威嚇した
「僕は行きたくないというのに!!」

天井からは深い赤みでベロア生地のカーテンが下がっている
この空間はとても華美で豪華だ
ところどころに機会のようなものが埋め込まれている
そして時々ポゥっと音を放つのだ
長机の先にいるものはかすかにでも微笑しているようだった

こいつが嫌いだ、大嫌いだ
笑いを零したと思えば憎たらしいほど人を小ばかにするようなものばかりだ
長机の先に座るものに向けて念を発した
するとそれがわかったのか、長机の向こうの人物が突然声を上げた

「行きなさい」
「嫌です」
「神に認められた者としての自覚を――――」
「そんなものイラナイ!」
言葉が終わらないうちに少年が言う
歳は七歳ほどだ

「聞きなさい!プラティスチャイルドよ!美をもって式典に望みなさい
そして陽の舞を世界に降り注いでくるのです」
「美?なにがです!
僕は普通で良かった、なにも能力なんて要らなかった
王の息子ではなくても良かったのに!!」
「ふざけるな!!」

低い男のこえが
今までの会話からは創造もできない低い、低い声だ
まるでイタチごっこだ、結末にたどり着かない
「力で私にかなうものか」
獣のような体制で身を乗り出す少年に向かい長机の向こうの影は指で三角形を作り出した

「フフッ動けぬだろう?闘志丸出しの狼よ」
そう言い放ったのも同じ人物である
指の三角の空間に少年を囲う
少年は言葉どおり動けなくなってしまい、もどかしいような表情を浮べるが瞳だけはギロリと睨んだままだった
そこからビリビリと空中を走る怒りが少年をとりまいてゆく

薄暗い部屋に立つろうそくの火がゆらゆらとしていた
少年の髪は夕日のように赤く染まって、まるで燃えいる炎のようだ
その赤は色白の肌にとてもよく映えていた
エナメルのような素材の洋服を身にまとっている
それは宇宙を思わせるものだ

そうとうな存在感をみせるその容姿、一度見れば記憶に鮮明に残るだろう
少年はキツイ瞳のまま心の中で呟いた
『倒してやる・・・いつか!!』

「ははっ、それは楽しみですね」
どうやら男は人の心の中が読めるらしい
少年はキッと睨む
「プラティスチャイルドとしての自覚を持ちなさい
プラティス様は神だ、そしてこの国の信仰です
貴方はプラティス様の第二の使者として選ばれているのですよ
第一の使者は私、プラティシエル、そしてあらゆる能力を持って生まれてくる子供をプラティスチャイルドとして信仰の対象になるのです」
そう言うと王と呼ばれた男は少年を封じていた両手を静かに下ろした
とたんに少年は叫ぶ

「だからってなんで僕なの!?」
少年は淋しそうな表情のせいかさっきまでの硬い姿ではなく歳相応の姿にみえる
「どんなに否定しようとも王の息子に変わりはないのです
わかりますね、tetsu」
穏やかな声で王は言う
そしてこの人物ははtetsuと呼ばれる少年の父親と言う事になるだろう

「プラティスチャイルド・・・」
かすれた声でtetsuは言った
「三年に一度“主街道”で行われる式典に出向いてください
息子であり、プラティスチャイルドである貴方の役目ですから」
王の声は穏やかだ
少しだけ淋しさが残るのは気のせいだろうか?

「式典におもむいて世界中の方々に貴方の美しい陽の舞を見せて差し上げなさい
これからも我らに光が在るようにと、輝きを失わぬようにと、
そしてプラティス様(ラア)に最高の祈りを捧げて楽しませて上げてください」

もう何も言うまい
tetsuはそう思った
機械の音がポゥポポウっと鳴る
こうなったら最高の舞を踊ろう

この国はプラティス(ラア)の神を崇め信仰としている
まだ意味も分からないこともたくさんあるけど、一番なのものは“プラティス(ラア)”ということ
それだけは確実だ
プラティス様というのは神の名前だが、昔の種族はラアと呼んだらしい
太陽の神と言う意味だ
プラティス様は大きな力の持ち主だったらしい
そのためかこの国にはしばしば特有の能力を持つ子供が生まれてくる
その子供の事をプラティスチャイルドと言う
僕もそのプラティスチャイルドだ
他の子供と違う所は、僕は国王の息子だって言うことだけ
プラティスチャイルドはたいてい16になるとその能力が消える
だけど消えずにその能力を開花させ続ける者もいるからその人達はプラティシーと呼ばれる
父は太陽の国の国王でもあり、プラティシーでもあるから違う意味のプラティシエルと言う称号が与えられている

それに明日は主街道での式典・・・
世界最大の大きな交通路である主街道での言わばお祭りだ
そこで僕は“陽の舞”を踊る
光を操る
僕に与えられている使命だ
陽の舞を踊るのはこの式典と太陽をつかさどる国で行われる光祝祭のみ
国のもの以外の人々は三年に一度見られるか見られないかというもらしい
それはとても美しくてこの世のもとは思えない
プラティスの魂が器に乗り移り一体化したように、光を操る
だれもが酔いしれ時が止まったように見入る
陽の舞を踊るのはプラティスチャイルドでなければならない
純粋を舞うのだから

そう、父は言っていた
僕にはいまいちわからない
だけど陽の舞を踊ると僕は僕じゃなくなる
それが気持ちよくて快感で踊るのは好きだ
嫌なのは父が僕に令を下す事だけ
奴が言わなければ僕はすんなり動いただろうに

「貴方の指図は受けない
僕は僕の意思で行くんです」
そう言うと
tetsuはふぃと部屋を出て行ってしまった
またポゥっと機会が鳴る
機会との共存がなされているこの部屋は未来的だ
いや、この国一体が機会との共存をしていた

tetsuの影が部屋からなくなると、そのとたんにこの部屋にあったろうそく全てが一瞬にして燃え尽きた
原型もなくなるほどの姿になったろうそくは黒ずんでプスプスと音を放つだけである
「いい能力だ」
暗闇に向かい王は言う




























「お母様僕の舞を見てくださいね
いつかお母様を連れて逃げ出して見せますから
多くの妻を持ち本妻のお母様を苦しませるあんな男の場所から逃げ出してみせますから」
tetsuは一片の花びらと守護獣とともにスターロードを渡る


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2314 武者震い(謎) 2001/12/4(Tue)19:53- 蝶(パピヨン) - 12112 hit(s)
どどぉーん・・・。。。
どうやらキャサリンの方がウィルスにやられたらしいのぢゃ。
きゃー(涙)
もうダメダメ・・・。。
キャサリンがダメならミシェルで更新しようと思ったけど
ミシェル使う時間があんまりないぃー!!(ミシェルはでかい)
うぅぅ。。。
やっぱりパートナーはキャサリンぢゃなきゃ。。(遠い目)
今日は牛丼食べに行ってあまるほどプリをとりました♪
はぃ、プレゼント♪(無理)
ちなみに狂牛病とかまったく気にしない人種。

あいみ殿
おひさしぃー(抱)
えぇ是非出てください(ぺこり)
誰と絡みましょうか?ダンナ!!
早くしないと話が進んでからめなくなっちゃうぞぉ〜(笑)

無花果ちょん
いちいちいちーーーー!!(叫)
可愛らしい詩が妄想に加わってパッと花が咲いたようだよ(^-^)
ふふふ(抱)
蝶も詩みたいなののせよっかにゃ。
ぃや、前の話も詩が織り交ざってたんだけれども(爆)

hanaちゃ
たい☆
生ごみ役って一体・・・。。。
ちょっと腐敗したキャベツとか!!?
台詞が無いわ・・台詞が(笑)
hanaちゃはきちんと役にはまったのでご安心を(-_☆)
らる交にこの身を捧げる蝶より。
2313 第三話 岩の項 2001/12/4(Tue)19:39- 蝶(パピヨン) - 11684 hit(s)


「本日は晴天なり」
そう呟いたのは20歳近い女だった
晴れ晴れとした空にわたあめのような雲の間から見えるのは目もくらむような青だ

「明日は波乱の予感がするのう
今朝胸騒ぎがするのでな、水晶を見てみたのだよ
そうしらたなんとKen、お前の姿が映ったよ私には理解ができん
これは何を意味するのだろうな」
20歳近い女性は異様に老いたような話かたをした
全身を黒と紫で統一し、アラブに住む民族のような格好だ
目はとても澄んでいて緑色をしている
整った顔立ち、スッと高く伸びた鼻、長いパーマがかった緑の光沢を放つ髪
よくわからないが、口には妖しく光るルージュの口紅が日に照らされてキラキラとしていた
そんな女の口元をほぅと見つめながら七歳と思われるKenという少年がこう答えた

「俺が水晶に?なんやわからんなぁ
・・・お?おぉっ!?明日て三年に一度の式典やん!!」
驚いたような表情はしていたがいたずらっぽく笑うKen
「そこでKenに関わる大事な事が起こるのやもしれんぞ、覚悟していくんだな
私も一緒について行くが自分の身は自分で守らねばならん」
厳しい表情で女は言う

Kenは龍の鮮やかな刺繍が描かれている服を身にまとっていた
ほんのりと王室どくとくの香の臭いを漂わせて
「マイが一緒なら俺は何でもええねん♪
たとえ妖怪が出ようとも大気の竜巻が起きようとも怖くない♪」
緑色の瞳を大きく開け呆れた表情でマイは目の前で嬉しそうに笑うKenの頭を撫でている

「「マイ」かこれでも私はお前より長く生きているんだがな」
「ん?」
「いやいや、なんでもない
そうやって接してくるのはお前が初めでだってことさ
この国でたった一人の予言師である私を初めから気味悪がったり、軽蔑しなかったものな」
そんなことを言うマイにKenは下からきょとんとした視線を送る

「俺らが持ってないその目の色やなんかはムッチャ綺麗なんやで!なんで気味悪がらなあ
かんの?
それにかーちゃんのいない俺にとって特別な人なんやで
ダメやなーマイは、自分で自分を否定しよる」
マイはフフッと笑い、つやのある唇をゆるませ
「大人だのうKenは」
そう言い、かがんでKenの頬をムニッと指でつまんだ

Kenとマイは湯屋のような建物が騒然と立ち並ぶ中にぽっかりと開いた緑の空間にいた
建物と言う建物全ての戸がこの森林の空間に向かっている
森林はドーナツ型で、周りを囲う木々の真ん中には芝があり岩がゴロゴロとしている
そこにマイとKenはいるのだ

「なぁKen、もうすぐお前のいたずら友達が来るぞ」
ふと右側を指差すマイの先をKenはじっとみつめると赤を貴重とした建物の戸に人影が見える
「・・・とーちゃん!!」
そう言い放ち満面の笑みで指先の向こうの人影に突っ込んでいった
「とーちゃん!どこいってたんや?
今日は俺と遊んでくれる言うたやないか!!ぶぅーー」
ぶぅと頬を膨らませる
Kenの父親とみられる男はKenの体を軽々と抱き上げてすまなそうに、でもいたずらっぽく苦笑した

「いやぁ・・・ごめん
とーちゃんもKenとイチャイチャしたかってん・・せやけどな・・・・」
「・・・・けど?」
「明日は主街道での式典やろ?
いろいろ準備があんねん」
「でもでもでもでもー!!」
父親に抱かれながらKenはすねて暴れてみせた
「わかるやろ?」
「・・・ほんなら式典終わったら山に行きたい・・」
うつむき少し目を潤ませてKenは言った

「ほんまかんにんな
そのかし今日はマイを一日好き放題使ってええで♪」
Kenの父親はマイを見つけにんまりと笑う
「!!?」
いきなり話をふられたマイはかがんだ姿勢のまま驚いた表情でぽかんと口を開け上を見上げていた
「まっまたれよ陛下
なぜそんな急に話しが飛ぶのだ」
ガバッと立ち上がり驚いたままの表情でKenの父親に言った

「がははっ
ええやん、どっちにしろ式典に行くのには今日出発せなあかんのやから」
豪快に笑うKenの父親
その強引さにマイは何も言えなくなっていた

その時、上目遣いで愛くるしいほどの表情を浮べKenがマイを見つめた
「マイは俺の事きらいなん?・・・」
そう潤んだ瞳で話し掛けてきた
「そうなん?・・・――」
「くうぅっ・・・」
Kenの甘えた表情はマイの母性本能をしっかりと射抜き無意識にKenを抱き締めさせていた
幼いながらに女心を掴むする七歳児

そしてKenの父親はマイの方をポンと軽く叩きにっこりと微笑んでから来た道を戻っていった
「なぁKen・・・、一つ修正してもいいか?」
「なんや?」
「私を認めてくれる者はもう一人いたという事だよ」
「???」
マイは嬉しそうに笑った



























Kenと予言師であるマイ、それに連れのものを率いて一行はまもなく星の道を渡る


2321 第四話 流の項 2001/12/4(Tue)22:07- 蝶(パピヨン) - 11880 hit(s)


そよそよと体を撫でるように過ぎゆく風
壮大な自然が体の横を走り抜けていく
シュイン・・・シュイン・・・・
風を切る音が耳元でささやいている
緑の木漏れ日からから刺す光の筋がキラキラと眩しい

楕円形で卵の形に似た乗りが空間を走っている
その乗り物に乗り、風の音を静かに感じているのはyukihiroだった
乗り物といってもタイヤはなく、地上をすべるように走りぬく

「ねぇ、まだつかないの?」
飽きた声でそう、もらすのはyukihiro
「すみません、もう少々お待ちください
式典に間に合うようにはつきますので」
「そんなことは分ってるよ
僕が聞きたいのはあと何分?あと何時間?そういう具体的なことなんだから」

楕円形の乗り物を操作する女が申し訳なさそうに答えた
「えっ・・あのぅ・・・
あと四時間ほどです・・・・・・」
「ああ、長い長い」

「すいている道を検索し、一番早い経路で走っているんですが」
「まったく
使えないロボットだね、君は」
椅子のようなものにふんぞり返りyukihioroは冷たく言葉を吐き捨てていく
「―――――」
そこで会話は終わってしまった



――シャッシャッ・・――ジジーーッ――――
『yuki・・・yukihiro・・・』
――ジッジジッ・・―――・・・・・――――――ジーッ―――ブゥンッ―――
『yukihiroどうですか?
式典には間に合いそうですか?』
突然機械的な音が聞こえてきたかと思えば細く美しい30前半と思われる女性がyukihiroの目の前に現れた
この女性は生身の人間ではない
しいて言うならばグラフィック映像というのであろうか

「お母様っ」
さっきまでとは打って変わりyukihiroは身を乗り出して嬉しそうに叫んだ
『偉い子ね、yukihiro
式典が終わるまでお母様はyukihiroに触れることは出来ないけれど寂しいからって、皆さんに迷惑をかけてはいけませんよ』
yukihiroの母親は透明な笑顔を彼に向けている

「うんっ、大丈夫だよ♪僕は強いもん!
式典なんてへっちゃらだよ」
まだ七歳のyukihiroは小さな手を大きく広げ母親にアピールして見せた
そのとき母親とは違う低い男の声が聞こえてきた
『おぉyukihiro
がんばってるな、式典には間に合いそうかい?』
母親の横から画像に入り込むのはスラッとした線の細い男だ

「あっお父様♪
コード0028が言うにはあと四時間ぐらいかかるそうです
0028もがんばってくれているみたいだけどまだまだ遠いね」
『しかし早いほうだよ
三年前はその時点であと六時間だったからな
コード0028は優秀だよ』

「そうだねお父様
感謝しなきゃね」
うんうん、といった表情でやさしく笑うyukihiroにはさっきの冷たさはない
『では、yukihiroの顔もみられたことですし
そろそろ回線をきるわね』

「えっ・・・」
yukihiroの表情がサッと寂しさへと変わった
「もっもう・・?」
すがるような声が漏れる
『あぁ、ごめんな
予定が詰まっていて・・・』
『また通信しますから、良い子にしていてください
王子としての自覚もきちんと持ってね』
yukihiroの父と母はゆっくりと微笑んだ

yukihiroも寂しさを心に押し込んで笑って見せた
「はい」

――・・ジジジッ・・――――・・・・・・――――――――――
回線が切れるとyukihiroはまた椅子の上にふんぞり返った
「コード0028ちんたらしてないで早く会場までつかせてよね」
「はい」
yukihiroの声は少しだけ震えていた

シュイン・・・シュイン・・・・
彼はまた風の音に耳を傾ける
シュイン・・・シュイン・・・・・・
「お母様・・・お父様・・・」
木漏れ日の光がyukihioroをやさしく包んだ

























楕円の卵型の乗り物はまもなくスターロードに入る
コード0028と幼い七歳のyukihiroを乗せて



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2373 第五章 初の項 2001/12/17(Mon)15:38- 蝶(パピヨン) - 11885 hit(s)


「なぁなぁhyde、てっちゃんの舞いは綺麗やなぁ・・・・
俺はてっちゃんを嫁さんにもろときたいぐらいやねん」
「そうだね」
「あぁーん、カワイイ!!かわええなぁ、てっちゃん・・・クフクフ・・・」
「・・・――――」

なんで呼びつけになれなきゃいけないんだろう、親しくもないし・・・
しかも男が男を見てなにを赤くなっているんだ
hydeは自分に耳うちをするKenに異様なものを見るような視線を送った
一方のKenはそれに気づかずtetsuの舞いを見つめながらさらに赤くなる
今tetsuは「陽の舞い」を踊っている
確かに美しい、男でも女でもない“美”を彼はまとっていた

しってのとおり星の道(スターロード)をたどって彼らは主街道にやってきている
主街道を説明するには全ての理屈を捨て去って理解をしてもらわないといけない
主街道の他にもこの世界の仕組みを説明するのに常識はいらない

まず、この世界には四つの国がありその国を繋ぐ交通路の中心が『主街道』だ
国から主街道へ伸びる路を星の道(スターロード)という
hyde、tetsu、ken、yukihiroは星の道を通って主街道までやってきた
三年に一度の式典というのは四つの国の親睦を深めるという意味合いも込めている
なかなか会う事のない四つの国の交流の場だ
国といっても大地が繋がっているわけではない
宇宙のようなものだ
星と星が繋がった真ん中の空間が『主街道』ということになるだろう
ちょうど十文字に位置されるそれぞれ星には異なる文化が生まれていた

各国格種人々の往来する種街道はドーム状に建てられている
天は果てしなく高くどこまで続くのかわからない
四方から石段が続く、それが交わるところに置かれている円形の舞台の上にtetsuはいた
ドーム自体が主街道と呼ばれ、その大きさははんぱじゃない
tetsuのいる舞台からかなり離れて客席が設置されており、そこには電子ヴィジョンが映し出されるようになっていて肉眼では見る事の出来ないtetsuの舞を見る事ができる
hyde達はこの式典の主役とも呼べる役割をはたしているため間じかでtetsuの「陽の舞い」が拝めた

会場は暗くなっていてtetsuが踊る一角だけに光が吸い取られているようだった
彼は輝いていた美しく華麗に
シャンシャン・・・―――――
左手にこぶし半分ほどの鈴を二つ持ち、光を受けキラキラと光る透明で水のような生地を頭からかぶり唇に挟んでは右手にかけと、身をひるがえしていた
シャンシャンシャン・・・―――――
時おり両手を高く伸ばし天を仰ぐ
まるで神の寵愛を受けるかのように
アイラインと唇に真っ赤な紅を引き全てのものを誘惑に誘うような表情だ
それは不思議といやらしくはない
逆に魅力的で引き込まれてしまうほどだ

kenが惚れこんでしまうのも無理ないが、なにをもじもじと・・・
hydeはいいかげん呆れてしまっていた
トロンとした表情で赤面するkenはまるで恋する乙女だ

「そう言えばkenくん、tetsuくんのこと『てっちゃん』ってよんでいるみたいだけど前からの知りあい?」
「ん?せやで♪
うちのとーちゃんがてっちゃんとこの親父と良くあっとんねん」
hydeは上手くkenの注意をそらせた
男が男に赤面するなど見ていていい気分ではなかった
「へぇ・・・」
あまり興味もなかったのでhydeは軽く返事を返した

「・・・・なぁ」
「なに?」
kenはhydeの顔をなにも言わずにみつめている
「・・・・」
「なんだよ」
「・・・・お前」

「なに!!?何かついてますか、この顔に!!」
あまりにまじまじと見られるのでhydeは思わず怒鳴ってしまった
わけもわからずみつめられるのは気分が悪い
「シィィー、静かに!
お前の顔むっちゃ綺麗やな」
「はぁ?」
突飛な答えに気の抜けた声が出てしまった
「いやいや、綺麗や
絶対トイレなんかいかへんやろ?な?な?」

なにをいってるんだこの男は
まさかホモ!!ゲイ!!
六歳にして狙われるんなんて・・・
「いきますよ、トイレぐらい」
hydeは引きつりながら冷静に答えた

「ねえ、ちょっと!」
と、突然kenの横から声が聞こえてきたかとおもうとyukihiroの顔がにゅっと出てきた
「うるさいんだよね」
「あ、ごめん」
面倒な事はもうたくさんだ
hydeはとっさに謝る
「あーやだやだ、これだから責任感のないお子ちゃまは嫌いなわけ」
「なんやねん!?あやまったやろ」
yukihiroの一言にkenが怒り出した
hydeの方を向いていた体をぐぅっとひねらせ睨みつける

「落ち着いてよkenくん、相手にする方が体力使うよ」
涼しい目でhydeはため息混じりに言葉を返した
「う”―・・・・yukihiroめ生意気なガキや」
hydeがなだめながらkenを押さえつける、今にも飛び掛りそうだったからだ
式典の最中に不祥事を起こされたらたまったもんじゃない
一歩間違えれば戦争にも発展してしまう
「なにいってんの?君だってガキじゃない
あーあ、やだやだ勘違いって」
捨て台詞をはいてyukihiroはふぃっと元の位置に戻っていった

「なんやー!根性まがっとる」
「ほらkenくん、tetsuくんがっ」
「なにぃ?」
「踊り踊り!!」
「ん?おぉ〜・・・ええわぁ」
kenは単純にもhydeにtetsuの舞を見させられてさっきの怒りも飛んでしまったようだった



そんなこんなで式典は進んでいく
なんどかyukihiroとkenの接触はあるものの、hydeが上手くおさめていた

tetsuの舞がクライマックスに入り、光が彼をより鮮明に映し出したころ少しずつ闇がこぼれ出していた
電子ヴィジョンでtetsuが見られていた客席では全くの闇がそこを覆い何も見えない状態になっている
通常ではこんなことが起こるはずがない
主街道全体は光をつかさどる「陽の舞い」で満たされているのだから
どこから吹いてくるのか、小さな風が駆け抜ける
冷たい冷気が足元をくすぐるように浸透してくる
闇は光を狙うようにじりじりと中心にいるtetsuに近づきはじめた



2374 変心デス☆ 2001/12/17(Mon)16:11- 蝶(パピヨン) - 11785 hit(s)
あさってからもう休みですよ♪
きゃは☆
クラブ行って、LIVEいって、ゴスロリして都内をはいかいして!!
と、やること山済みで楽しみなの☆
そのために日々バイトなんだけどね(笑)
今日は友達とクリスマス遊ぶぞ計画を立てていたのに
そのうちの二人がケンカをし始めてかなり困った(号泣)
こういう計画って直前で崩れるのよね(遠い目)
うっひぃ〜(;へ;)

愛羅ちょん
キャサリンウィルス削除完了!!
ふふふ・・・。
よかったわぁ(=v=)☆
でもキャサリンではまだ不投稿扱いされりゅから
なかなか更新が出来ないのでありんす煤i ̄皿 ̄)
あぁ悔しい!!キィィ!!(激怒)

無花果
ゆっきーkenちゃんに絡んでます(笑)
意地張りっぷりがいいねぇ( ̄▽ ̄*)ほほほ
ゆっきーは王子として一人前にならなくちゃ(>_<)って
小さい頃から思ってきたから二面性を持っちゃったんでしょう。(そうなのか?)
作者が一番よく分ってない(爆死)
そしてそして、「マイ」の爆弾発言ももうすぐ聞けるでしょう☆

hanaちゃ
四人全部そろって、てち以外の三人は仲良く(?)
おしゃべりなんぞをいたしておりまするよ(笑)
hanaちゃはねぇ、腐ったキャベツぢゃなくてキュウリにすることにしました( ̄▽ ̄)ゞ(大嘘)
期待しないで下さりませね(^^;)
物語上ものすごいことになるかもしれにゃいけれども
気にしなぁ〜い×A♪(怖っ)

あいみ丼
ゆっきぃとの絡みは完璧でござるよ!!
そちが気づいておらぬ間に絡んでおるかもしれない!!?
っという役でありんす(笑)
さて、どこにでてくるでしょうか?
当たった方にはロマン輝くエス○―ルよりチュッパ○ャップスが贈呈されます(-_☆)

星夜殿
式典の始まりはじまりぃ〜
ちびっこギャング四人組はとうとう主街道に姿をあらわしたのでありました!
ベケベンベン(音)
性格も好みも違うこの四人がどう物語の中で生きていくのかこう御期待!!
ババンッ
いや、期待されるようなものではありませんがね・・・(爆)


では今後ともよろしくお願いいたしますm(>_<)m
2378 削除
2380 削除
2381 第六話 接の項 2001/12/19(Wed)11:27- 蝶(パピヨン) - 11933 hit(s)


客席は全てといっていいほど闇に呑み込まれてしまっていた
しかしhyde達は全く気づいていない
彼らの座る席の三間ほど後ろには彼らと共に式典に出席したそれぞれの連れが座っている
そこでいち早く異変に気づいたのはマイだった
だが、マイ自身その異変をそよ風程度にしか感じとれないでいた
ken同様tetsuの舞いを純粋に見入っていたからだ

『・・・ナァーゴォ・・・・』
陽の舞いの鈴の音しか響いていない主街道に猫の鳴き声のようなものが聞こえたような気がした
そこでやっとマイは辺りを見回す事ができたのだ
(・・・っ!?なんだいまのは)
自分の座っている席より後ろを振り返るとただただ闇ばかりで一寸の光さえ見えない
陽の舞いで目が光に慣れてしまったからだろうか?
その闇に理由をつけようとしたがいっこうにマイの目は光を映すけはいはない

(動物?)
闇の中にカサカサと動く小さなものの気を感じた
その小さなものは急に真っ赤な光を二つ放ったのだ
しかもそれは二つだけではない
いくつもの方向、いくつもの赤い光がtetsuのほうばかりを睨みつけているようだった
(なんだこれは?まやかしかなにかか??)

そんな事を考えていると不意に場が荒れ、嵐のように破壊される主街道の映像が頭の中に入り込んできた
ぐっと身を構え繭をしかめると
(いかん!悠長なことをしている暇はないということだな
予言は凶兆をしめしておる、早めに行動せねば・・・)
きっとこれは邪悪なものに違いない、なんらかの害をなすものだな
マイは各国の王子と主街道におもむいてきている人々を助け出す方法をとっさに考えていた

(ここで何の害もくらっていないのは私とその他の連れ、そして王子達だな
それにしても主催者の門番はどこにいるんだ!!
そもそも生身の人間と言うのが私と愛羅様、それと王子どもしか今は見当たらん
hyde様の連れは式神、愛羅様はまだ能力も開花していないと聞くし、tetsu様は舞台上、守護獣はその側だ・・・
yukihiroさまの連れはロボットのコード0028のみ
kenにはこの私だ・・・・他の奴らを離しておくのではなかったな・・・どうする!くそっ!!)
下唇を噛み、この闇を蹴散らす方法を考えた

「マイ殿、なにやら冷気がまとわりつくのだが」
隣にいたhydeの式神が前を見つめたまま静かにマイに話し掛けてきた
「わかるのか?」
「まあ多少は、hyde様と愛羅様を守れというのが主人のいいつけだ力になろう」
「助かるよ、でもこの状況をどうするか・・・、この闇の正体もわからん」
「もののけだ」
「なぜそう思う」
「俺が鬼だからだよ」
マイは首を傾げたが、力強い味方を手に入れたのにはかわりはない
優先すべきは自らの命より王子達の命
彼らを安全な場所へ・・・

『に゛ぁーごぉぉ』
やはり猫の声だ
暗闇から光に向かって無数の猫がじりじりと歩き出してくる姿を見た
「猫・・・」
「あぁそうだな、猫だ
さて、どうしたものかな」
式神の飄々とした態度にマイは煮え切らない表情を浮べる
「そもそも式神がなぜ感情を持つ」
こんな事態に聞くことではないが彼女は今まで不思議に思っていた事をつい、口に出してしまった
「そこいらの式神使いと一緒にするな、ご主人様は偉大なんだよ
それともなにか?式神に感情はいらないと?」
切なそうに微笑する式神を見て、マイは申し訳ないと軽く頭をふった

あの赤い光は猫の瞳だった
闇に二つ浮かぶ真っ赤な瞳
「おい、式神よあの猫どもはどうもtetsu様を狙っておるようだ
tetsu様だけではない、他の王子にも何をされるかわかったものではないぞ!」
すでに結界の用意をしたマイは人差し指と中指をそろえ唇をかさねるとそのまま大きく腕を開いた
そして式神はマイの言葉を聞くか聞かないかのうちにコクンとうなずき次の瞬間にはhyde達の席へ移動していた

「hyde様」
「ん?式神か、いきなり出てくると驚くだろう」
「すみません、しかし少しばかり騒ぎがおきそうなので・・・――――――――」
式神が訳を話すとhydeはスッと立ち上がって
「僕らを守る?いや、僕は戦います、この能力どこまで使えるか試してみたいので」
嬉しそうにわらった

『に゛ぃ――!!』
猫の鳴き声は今度は鮮明になって聞こえてきた
人間が聞いてもわかるぐらい怒りに満ちているものだった
「こりゃ、やっかい」
マイは呟くと結界を張り終えたのか自分の手を下ろした
(tetsu様!!)
その時赤い目の猫たちが光の中にあらわになった
tetsuのすぐ側まで迫っている
猫はやせ細っていて、まるでミイラだ
むしろミイラなのかもしれない、カラカラに渇いた皮と骨の線がはっきりと見てとれた

マイはおろした腕をすばやく振り、tetsuの元ににじりよる猫に呪を貼り付けた
醜い声をあげ猫は灰に散ったが、あまりにも多い数がいるため一匹一匹に呪をかけるとらちがあかない
(この一体は結界を張った、まずはtetsu様の所へ行かないと)
マイは身をひるがえし、周りの猫を灰に散らしながらtetsuの元へ向かって全力疾走した

『にゃぁ』
『なぁーご・・・』
『ぐるぐるぐる・・・・』
どこから出てくるのか猫は増える一方だ
hyde達の元で猫を追い払う式神は相変わらず飄々としていた

「うわっ・・・、なんだ」
tetsuは周りの雰囲気に気づいたが舞いを中断する事はできなかった
体が止まらない
「tetsu様、無事ですか!!?」
マイは走りながらtetsuに問い掛けた
猫を振り切りながら来たので多少息は荒れている
しかしマイがつくか否かtetsuのもとに駆けつける前に猫の方が先にtetsuに飛び掛っていた




2382 第七話 触の項 2001/12/19(Wed)11:49- 蝶(パピヨン) - 11689 hit(s)


『ニ゛ィ−!!!』
耳を裂くような猫の声がしたかと思うとマイが呪を放つ前にtetsuの守護獣が飛び出してきた
ガッッガッッ
鈍い音と共に猫が散っていったのがわかる
守護獣が猫を切り裂いたのだ

tetsuの守護獣は見た目虎に近いものを感じさせる
首にはコブラがまきついており、チロチロと怪しげに舌を出し入れしている
体格は大きいが、マイよりは少し小さい
きっとtetsuなんかはすっぽりと隠れてしまうことだろう
黄金に輝く毛並みは太陽の光を思わせる
きらびやかな装飾品を身につけ、勝利に高々と吠えた

「・・・、良かった・・・」
少し泣きそうな声になったマイはそのままヨロヨロとtetsuの前に立った
「優秀な守護獣をお持ちですね」
マイは安堵の表情と険しい表情をあわせtetsuに言った
先ほど飛び出た守護獣はマイの横に立ちぐるぐるとうなっている

「ちがうよ、僕がその獣に王子を守るように伝えたんです」
いつ現れたのか、hydeは式神が止めるのを振り切りtetsuと同じ舞台上にいた
幼い顔に満面の笑みを浮べて
「式神!!どういうことだ!!」
驚いたマイは大声で怒鳴るしかなかった
未来をになう王子が何てことだ・・・・
わざわざ命を落としにきたのか!!?私よりもまだまだ力が不十分だというのに

マイがhydeの出現に戸惑っていると隙を感じたのか周りにはびこっていたミイラの猫たちが一気に襲い掛かってきたのだ
例のごとくマイは結界を張ってそれを防ぐ
呪文を口の中で唱え全ての猫を一気に消し去った
「ちょろいな」
自慢気にマイは周りを見回した

幸い式神のおかげでkenやyukihiroにはなんの害もなく済んだ
厚い着物をまとう式神は縛り上げた長い黒髪を乱さない美しい身のこなしだった

「だけどおかしいです、闇が引かない」
hydeは腕を組んだまま呟いた
そのとおり闇が引いていない
この際hydeがいる事は二の次だ
自分の力で十分守りきれるし、闇をどうにかしなければいけない
猫を撃退したにも関わらず闇が引かないのはおかしすぎる
黒幕がいるのか?

すると舞いを踊りつづけていたtetsuから不思議な光がこぼれだした
キラキラと周りを包み込む光は今までの闇を浄化していく
シャン ――――
と鈴が鳴るたびに光が地上に舞い戻るかのようだった
「奇跡だ・・・」
そう誰もが溜息混じりに言ってしまうほどの美しさだ

闇を押しのけて光が有すると竜巻のような風がバサバサと巻き起こった
一つ一つの風はまるで刃物のように主街道全体を破壊する
tetsuの居る舞台へつづく石段も軽く破壊され、外壁などは少し触ったぐらいで全体が崩れ落ちそうなぐらいだった

『いいご身分だねtetsu』
女の声が響いたかと思えば頭から黒い布をかぶった女が天高く現れた
全体にかぶった布で顔を隠しているようにも見える
髪は長く唇は赤いが全体像は陰ができていてよくわからない
舞いから開放されたtetsuは何の事だかわからずに披露の表情をうかべている

『日が九つのぼり人の暗闇が高くなりし時再度降臨しせり』
小鳥が唄うように女は言葉を続けた
『正義は悪となし毒蝶は舞う水地風火花に閉じ』
「女っ!!」
マイは術を放った
しかし女の前では無力でしかなかった
布をかぶった片方の手で軽くかわされたのだ

彼女はまた竜巻のような風を起し、マイをhydeをtetsuを、全てを吹き飛ばした
『四の言葉繋げ王にかわる』
最後まで言い終えると影だけを残しきりのように消えてしまった
最初の突風で崩されていた壁から落ちた瓦礫に叩きつけられた瞬間、マイの脳に予言が映った

「・・かはっ・・、これは・・・・」
自分を犠牲にしてまでしっかりと2人の王子の身を守り、惨事をその能力で防いだ
全身と、頭を強く打ったのか意識がうすれて・・・ゆく・・・・



2385 削除
2387 削除
2388 第八話 判の項 2001/12/20(Thu)16:44- 蝶(パピヨン) - 11759 hit(s)


・・・みなは無事か?
まだ闇を払いきれていないではないか!こんなにも周りが黒い
体が鉛のように重い・・重い・・・
「マイ殿!」
式神・・、いかん私はこのまま動けそうにない・・・どうか王子たちを・・・
「戻って来い!マイ殿!!」
無力だな私自身・・・
?この生ぬるい鉄臭い液体は・・・
その時マイの手に真っ赤な血がべっとりとついていた

血液!まさかっ!?そんな事・・・・
あぁ・・ああぁ・・・っっ!!!
tetsu様!!hyde様!!
今まで闇しか映していなかったマイの瞳に真っ赤な海原が現れた
全てが血の海になりtetsuもhydeもkenもyukihiroも全ての生き物が場に付し血まみれになっているのだ
・・・なんてこと・・・kenもyukihiro様も・・・
私は守りきれなかったのか・・、あぁ・・、こんな命助かっても意味がない・・・
こんな現実私にはいらない・・・うっうぅ・・・・
動かない体に瞳は涙ばかりを溢れさせる

「あなたの手は動く!」
式神、私は助かろうなんて思わない
「動く!!戻ってくるのだ!!!」
なにを言うのだ、もう私など必要ない
「いたしかたない・・
少々手荒らだが貴方を開放させないと」

どうした式神・・なに・・額が熱い・・・っ
ドクン・・ ドクン・・ ・・ドックン・・ ドック・・ン・・――――

ズンッ

「くあっっ」
体中に何かが入り込むような感覚が走った
全身が反り返り、目は完全に見開き、その瞬間マイは声を放つ事ができた
「しかと前を見据えよ」
「式神?」
声が鮮明に聞こえたかと思うと今まで目の前に広がっていた血の海はなく、式神の顔だけが自分をのぞきこんでいるのであった
「なぜ、そこに?」
マイは横たわったまま式神に問い掛けた
涙の跡はまだ渇いていない

「しっかりしろ、幻術にはまっただけだ」
式神はマイの手を引いて起き上がらせた
マイの体は軽くなりどこにも傷らしいものは見当たらない
それどころかあたりは壊れた所もなくtetsuとhydeも自分の側で気を失っているだけだ
「どういうことなんだ・・・」
まだ少しくらくらとする頭のなかでことの事態を整理しようとした
「幻術だ、まぼろしといった方が簡単か?」
そんな時マイを支えていた式神が口を開いた
やはり彼は涼しい顔をしている

幻術だと?くそっまんまとハメられたか
「式神、お前は何で平気なのだ」
「ははっ、俺は鬼だからだ心は操れん」
「それがいまいちわからないのだよ
まぁ、みなが無事でよかった
私もまだまだ力があまいということだな」
悔しそうに歯を食いしばるマイの肩を式神は軽く叩いた

そして話を続ける
「あの女を覚えているか?」
「あぁ、黒装束の奴だな」
「マイ殿はあれの術にはまったのだ
他のみなもそうだろう、俺も最初は気づかなかった」
「え?」
「気づいたのはあの奇妙な猫どもがtetsu様の守護獣に切り裂かれた時だ
奴らには感情がなかった
それどころか俺と似たものだと感じた」
「似たものとは?」
「式神のようなものだ、なにかに猫どもの精神を移し操ったと考えればいい」
「猫は操られていたんだな・・・
それにしてもあの女はなぜ留めを刺さず幻術にしたのだろう?」
「そこが俺にもわからん
だがあの女、tetsu様を集中狙いしていた」

マイと式神の会話は続いた
あの女はなにが目的だったのか?
そして不思議な歌を残して消えた
あとに残るのは謎ばかりだ

と、突然男の子の声が聞こえてきた
「皆さんどうしたんですか!!?大丈夫ですか!!?」
少年は無造作に伸ばした髪に、タンクトップ、黒いカーゴパンツを履き、辺りを見回しうろたえていた
「え?え?どうしたんだろう・・・」


「なんと、我々のほかにも幻術から逃れられたものがおったか」
マイはその少年を見つめ微笑した
自分達の他にもあんな悪夢を見ずに助かったものがいて安心したのだろう
「あれはsakuraではないか・・・」
「ん?sakuraというのかあの少年は
お前はなぜ名前まで知っておるのだ?」
「あれは砦の王の息子だ」
「なに、砦の王の息子?
しかしあれの名は椿ではなかったか?
それに女で一人っ子だ」
「主街道の砦の王に仕える家政婦の子供だがどうしたものかな、俺はあいつが息子だと思えて仕方がない」
誇らしげに笑う式神にマイは嫌悪感を覚えた

砦の王と言うのはこの主街道を仕切る門番の事だ
その砦の王には愛娘の「椿」という子がいる
マイの言うとおり一人っ子だ
本来ならば椿もこの式典に参加するはずなのだが彼女は病弱でめったに人前には出られないらしい

「おかしな事を言うな」
繭をしかめたままマイは式神に言った
式神の言う事はいまいち良くわからない
「おかしくなんてないとそのうち思うようになる
sakuraの魂がいっているのだ、間違いない」

「あのっ!大丈夫ですか?」
そんな話し声が聞こえたのかsakuraはマイと式神を見つけ走ってきた
「わっ!王子様まで!!しっかりしてください」
彼はマイと式神の横で横たわる2人の王子を見つけ驚きの声をあげた
それと当時に2人の肩をユサユサと揺り始め泣きそうな顔をしている
「しっかりしてください王子様ぁ」
「ん・・っ」
するとtetsuは自分の体の異変を感じたのか揺られながら小さくうなった
その様子を見て安心したのかsakauraは腰を抜かしヘタヘタと座り込んでしまい
「生きてるぅ・・・」
と気の抜けた声をだした

「大丈夫だ、王子達は生きてるよ
お前も良く助かったな」
座り込み涙目のsakuraはまるで子犬のように見えた
そんなsakuraがいとおしく思えマイはsakuraの頭をわしゃわしゃとなでながら、大丈夫だよと微笑んだ
「さぁ、みなを起そう」
マイは式神の手を取り立ち上り、幻術を解こうとしたが上手く力が入らない
(なぜだ、さっきの術の余韻がまだ残っているのか?)
次の瞬間sakuraがマイの手を握ると、ブワッと全身に風が舞い口をついて呪文が出てきた
sakuraが握っている手と反対の左手をかざすとそこからオーロラのように無数の波が広がり一人一人を包んでゆく
すぐに目覚める者、なかなか目覚めない者、さまざまだったがsakuraが手を握った事で力がましたのには違いない
(この子供・・・)

マイがsakuraを振り返ると、sakuraの体はなぜか半透明に透け消えかかっている
「やだ・・、ねぇお姉さん!助けて!!まだ行きたくないのにっ!!」
透明に形を無くしてゆく自分の体を見つめ振り乱しながら小さな少年はさけんだ
マイは何がなんだかわからずに目を見開くばかりであった
「お前・・体が透けて・・・どうした!これはなんだ!!?」
「やだ!や・・だ・・―――――――――」
マイがsakuraの体を掴もうとする前にすでに体は消えていた
つかもうとした手は宙を掴んだ
あっけにとられたマイはそのまま立ちすくむしかなかった
少年のいたところにはチリひとつのこってはいない――――――――


2390 お返事 2001/12/20(Thu)17:03- 蝶(パピヨン) - 11818 hit(s)
クリスマスとばしてお年玉をくれぃ!!(爆
休みとか行って暇ぢゃ!!


あいみん。
休みが早いのは嬉しいが暇ぢゃ(笑)
暇で暇でしゃーないッス(―皿―)
フィアンセぇぇぇ・・。。
うぅぅ(涙)
残念ながら違いました(爆)
実はね、あいみちゃとゆっきぃとをね
○○○させようとおもってね
○○にはしなかったのだよぅ(激謎)
あぁ・・去って行くチュッパチャップ○ぅぅ〜〜

星夜君。
わかっちゃった?世界観(笑)
ふんだんに像増力を使ってくださいましぃ(−_☆)
hyちゃんの本性?
んふっ(きもいっ)まだまぁだぁ〜(逝け)
うひょってかんぢで行きましょうね。はぃ(謎)
ゆっきぃとkenちゃんのケンカをまじかにみてるとそのうち二人とも技を繰り出しはじめますからね!
しかもおもちゃで!!

愛羅様
愛羅お嬢様ぁ〜、早く能力が目覚めるとよろしいですわねぇ(ほろり)
えぇっまぢっ!!?煤i ̄□ ̄;)!!!
こわぁーぃー!!ミイラの猫って(自分で書いたのに(爆)
絶対見つけたくないッス!(いや、ちょっと見たい鴨・・でも・・(笑)
そのうち愛羅嬢にも式神がつくと思われます。
どんなのがいぃーい??(笑)
みなさんには内密にお教えください〜(^−^)
2409 削除
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2421 第九話 予の項 2001/12/21(Fri)17:02- 蝶(パピヨン) - 11852 hit(s)




『日が九つのぼり人の暗闇が高くなりし時再度降臨しせり』


『正義は悪となし毒蝶は舞う水地風火花に閉じ』


『四の言葉繋げ王にかわる』




「これから私が見ることの出来たすべての事を伝えよう」
マイは先ほどまでtetsuが立っていた舞台の上にいる
予言を発する時に着ると言う伝統的な衣装に着替えて
「災いは降る・・―――」
マイは話を続けた

あの一軒があったあと、何事もなかったかのように式典は進んでいた
どこにも損害はなく人々も無事であったからだ
催し物は全て終わり最後に四つの国の王子と主街道の門番である砦の王の娘がこの先の国々の安泰を願うオーパーツの分配という儀式があるのみ
その儀式の前に唯一の予言師であるマイはこの事態と、その後何が起こるかということを説明しなければならなかった
人々を不安にさせたままオーパーツの分配は出来ない

マイの話はこうだった
何年先か分らないが災いが降る
増大な憎しみと悲しみと嫉妬、人が持つ感情の黒い部分を固めて出来たような災いが
人の生きるすべと世界の気が狂う
何かに支配され行く

と、しかしこうも言っている

先が暗いわけではない
力を受け継ぐ五つの魂が見える
今見える限りではそれは微量でしかない
だが今頼れるのは明日か明後日か
何年後に現れやもしれぬその魂のみ

マイが伝え終えると同時に今までどこに居たのか
砦の王が出てきて言った
「そして蝶という蝶を消し去るのだ!
この騒ぎを起こした黒装束の女というのが残した唄に「蝶」が出てくるのだからな」

オーパーツの分配が完了し、式典が終わると同時に“蝶狩り”が始まった
「おろかな・・・」
マイは一人つぶやいた

まずはあの唄を解読しなければいけない
式神も明日にはhyde様と共に帰ってしまうのだろうな・・・
やはり、私一人でどうにかするしかないみたいだな

sakuraという少年のことも気がかりだ
私のせいで消えてしまったのか?
あの少年も幻術だったのか?
・・・くそっ
無力だ・・・・


自分の力不足にマイは打ちひしがれ,追い詰められたようになっていた
危機が訪れようとしているのになにも出来ないでいる自分が情けなくて仕方がなかった
それなのに誰かに頼ろうとしている
彼女の苦悩はこれから何年も続くことになろうとは誰も知らなかった
そして希望の光が見えることも・・・



2422 ふぅ(恥) 2001/12/21(Fri)17:16- 蝶(パピヨン) - 11849 hit(s)
蝶も「詩」みたいなの載せちゃいました(恥)
夢唄です(-_-。きゃっ(逝)
はく場所がないからここで疲労しちゃってもいいよね?
許してくだちぃ(;_;)
作家さんを始め皆様もステキな詩を載せていらっしゃるので感化されてしまいましたわ(笑)
※毒蝶の粉に犯されませんやぅご注意くださりませ。

愛羅様
こそっとお聞きしました(笑)
ぢゃ、そういう感じで!
愛羅つんの感想は謎が暴かれそうで怖いわ(>_<)
もっと練って練ってかかないとね(爆)
sakuraくんはどうなっちゃったんだろう・・(考えていない/死)
でももうすぐ出さなきゃ!!
蝶も式神君とマイはくっ付く事にさんせーい♪(え)
さぁ・・どうなるんだろう(^^;)

風城空牙様
蝶の事は呼びつけでかまいませんわ(^-^)
ふれんどりぃーで行きましょう♪
蝶ってばSF系とかお話書くの得意ではないんですよ!
本当のことろ(滝汗)
不器用だけど書きたかったの(笑)

まいつん☆
まいつんおてまみどどくからぁー!!
プリクラつきよぉぉ!!
目を十分くさらせなさいっ!(謎)
あにょね、マイはサクラの力を吸い取ったわけぢゃなくて相乗効果ってやつ?
わかるかにゃ??

星夜君
蝶ね、あんまり式神とかよくわかんないの(ダメぢゃん)
でも影陽師読んだりしてがんばってるんだけどね(苦笑)
なんかぜんぜんあってないよ!
見たいなことになってもごめんなさいね(T-T)
努力しますから!!(脱走)
2424 削除
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2441 第十話 時の項 2001/12/22(Sat)18:23- 蝶(パピヨン) - 11794 hit(s)


時は流れ三年後 ―――――
式典の行われる年になったが何の異変もおこらず、平和に過ぎていった
三年前に起こったあの事件は一体なんであったのか?
記憶から忘れ去られている人も少なくはなかった

hyde、tetsu、ken、yukihiroも式典には参加した
しかし何も起こらない
事件のこともあってこの年は主街道へ出向いてくる民衆が多かったが、災いのわの字もあらわれない為最後にはわらわらと帰ってゆく人もいたほどだ
何かが起こるに違いない
そんな噂も起こっていたほどだから人々は平和ではなくその「なにか」を望んでいたのかもしれない


人々の反応を見ながらhydeはそう思っていた
(無責任なものだな)
彼は九才になった王子であることから厳しい教育を受けてきたため
人並みに育てられた子供よりずっと大人びていた
『日が九つのぼり人の暗闇が高くなりし時再度降臨しせり』
『正義は悪となし毒蝶は舞う水地風火花に閉じ』
『四の言葉繋げ王にかわる』
式典も終わり、脳裏に移るのはこの唄ばかり
どうも気になって仕方がない

普通に考えて『日が九つのぼり』とは九日後と言うことになるのだろうが、あの一件から九日後、何も起こりはしなかった
父も九日の間十分すぎるほど警備をつけたが意味はなかったし
『日』というのを日の出にすれば九年後になるが、あまりにも遠い話しだ
マイが言っていた黒装束の女だって何歳になっているのか分ったものではない

『再度降臨しせり』ということはあの時点で女は何も出来なかったのか?
『日が九つのぼり』と、その時期まで待たなければならなかっただろうか?
・・・謎が多すぎる・・・・
頭に張り付いて離れない疑問をかたづけようと頭を抱えていると愛羅がやってきた
「hyde様、大丈夫ですか?」
「ん?あぁ」
自分の肩に乗っている白い手に自分の手も重ね、うつむいたまま答えた
「頭を抱えていらっしゃったから・・・」
愛羅は心配そうにもう片方の手を自分の胸に当てる

「心配かけてすまない、それに「様」はいらないって何度もいっているだろう?
呼びつけでいい」
儚く笑うと愛羅に向き直った
「はい・・・、でもhyde様あの・・・」
「・・・また」
言いながらhydeは微笑した
「ああっ、すみません・・・でもどうもhyde様の考えている事が伝わってきてしまうらしくて・・・、そのことが伝えたくて私・・・」
「え!?」

愛羅の言葉を聞いたhydeは驚きの表情でその場に立ち上がった
「お前・・!力が目覚めたのか!?」
愛羅がこくんとうなずくと、そのまま彼女を抱き締めた
「よかった!普通よりも遅かったから心配したよ!
でもこれでお前の父上も安心だろうに!よかった♪」
hyde抱き締められ,赤面する愛羅の気も知らず喜んでいた

こういうところはドンカンと言っていいだろう
愛羅の父と自分の父に知らせるためにhydeは即座に式神を創りあげ飛ばし、一番の側近である式神のもこのことを報告した

hydeの住む国では能力の開花が誕生日よりも何よりも一番大切なお祝い事のひとつだった
彼の国では皆、何かしら能力を開花させその力で国の運営を図っている
そして、その能力は加味の寵愛を受けたのだという証なのだ
いいなづけであるにもかかわらず、能力が開花しなかった愛羅にはhydeの父も頭を悩ませていた


そんな時、後ろから聞きなれた声が聞こえてきた
「おぅ、hyde」
人なつっこい笑顔にいたずらっぽい口元
kenだ
「あれ?なぜいるんです?」
突然の登場に戸惑っているhyde
「こんにちは、お久しぶりです」
横には綺麗に笑うtetsuもいた
二人とも式典の時の正装とは違いそれぞれの国の服を身にまとっていた
「あんな、マイがそっちの式神に話しがあるんやて」



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2461 第十一話 調の項 2001/12/23(Sun)12:30- 蝶(パピヨン) - 11781 hit(s)



主街道には空がなかった
なにもない空間に偽造された空
本物の雲など浮いてはいない
ドーム状に作られた主街道の天井ははるか高く、それはあたかも本物のように空を作り上げる
時には天候を雨にし、時にはまばゆいばかりの晴天となす

そんなものをまじかで見ていると、作られた世界に生かされているのだと確信させられる
何もかもが偽物
自分は本当に生きているのだろうか?




(式神に?)
hydeが首をかしげていると、kenにつづいてマイは姿を表した
三年前とは変わらない美しさが光っている
「マイ、君は年をとらないみたいにキレイなままだね」
hydeが不思議そうに言うと彼女が言う前にkenが出てきて言った
「そやろ!どう見ても二十歳前後!」
「うん」
「しかしやなぁ、実はマイは・・・」
片手を腰にやり、もう一方の手の人差し指をhydeに向け、最後の言葉を発しようとした

その時
「・・・・・」
無言でkenに圧力をかけるマイがいたのだ
後ろからの恐ろしい視線
それに気づいたkenは案の定、それ以上の言葉を言えずにモゴモゴと黙り込んでしまった
言葉の続きから察するに、kenはマイの年齢を言おうとしていたのだろう
女なら誰でも年のことは気にする
マイもその一人だった
しかしtetsuの一言で場は一変する

「実は百歳をゆうに越えているんですよね♪」
にこにことくったくのない笑顔を向けるtetsuは無邪気だった
唖然とするのはkenとマイばかりでなぜかhydeとtetsuはへぇ〜といった表情でいるだけ

「・・っ、なぁhyde、何でおどかないんや?
普通このことを聞いたらみんなおったまげるんに」
こそこそとhydeに耳打ちをするkenに彼は自分の式神を出してこういった
「そんな百歳なんて、まだまだ若いじゃないですか
うちの式神は・・・、いくつだろう・・・・
多分、万は越えていると思うけど」
式神は相変わらず飄々としている、横をみるとhydeも同じように飄々してマイとken、そしてtetsuを見ていた

「ねぇ、sakuraの居場所わかったけど」
突然yukihiroの声が聞こえてきた
しかし回りにはyukihiroの姿などない
「ちょっと厄介だよ
っていうか、振り出し?」
飽きたような声は相変わらず続いている

「ゆっきぃでてきてぇー」
tetsuが猫なで声を上げるとどこにあったのか、水溜りがビチビチと音を立て始めた
(え?)
戸惑うhydeをよそにその水溜りはみるみる姿を人型にかえてゆく
じっと見ていると、それはyukihiroの姿になったのだ
「あー、嫌だ嫌だ
そろいもそろって何も出来ないの?
働いてるのって僕ぐらいじゃない」
本来の姿にもどるなり、いつもの口調でyukihiroは話し始めた
「きぃぃ!相変わらずやなその口調!むっちゃ腹立つ!!」
hydeはいまだに理解しきれない表情で彼らのやり取りを眺めるしかなかった

「そうそう、sakura見つけたよ」
kenを軽くあしらったyukihiroそのままくるりと向きを変えマイに話し掛けた
「ま、わかんない人もいるみたいだから麻衣さんちゃっちゃとそこの式神と一緒に話を始めてよ」


2465 編芯。 2001/12/24(Mon)15:54- 蝶(パピヨン) - 12070 hit(s)
頭がよろしくないんです
蝶はあんまりうごかないんです
だからだから話しが止まっちゃうんです(爆)
しかもだんだん短くなっていってる(死亡)
夢唄だけ乗せておこう。。。

hanaちゃ
ダメです(死)
つぎなにかこーかにゃぁ〜
ぷへぇ〜ってなってるの(へ ̄△ ̄)へ
一種のスランプっちゅーやつですかね(悩)
hanaちゃのらる交の方が数倍いいって!
大好きで続きが楽しみで!!
更新期待!!してるわぁ(圧力)

星夜つん
あぃゃぁー(凹)
続きがでてきません・・・
創造といいますか、なんといいますか・・・
なかなかどうして・・(爆)
星夜ちょんも早く登場してもらわなきゃいけないんだけども・・・
あーっとえーっと(汗)
今まで頑張りすぎたの(爆死)

空牙君
風牙(キムタク!みたいなのりで(謎)
出ていただけるとうれしいです(^-^)
はぃはぃ、男の子役で(笑)
話しをうまく文章に出来ない上に誤植が多いと。
どうしようもないですね、蝶は。
この先が思いやられますわ(U×U。
空牙君のお話しはなにやらピンク系(謎)に・・・
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2534 おじょぱぁ〜(何者?!) 2002/1/7(Mon)16:23- hana - 11417 hit(s)
えー!!
ぱぴ殿のお話のほうが、hanaのボロクソ話より全然いいっす!!
何百倍も素晴らしいです。
お話も相変わらずステキだし。
ゆっきぃの登場の仕方かっこいいし(謎)
奥深いし、続きがとにかく気になりまスル・・・。
夢唄も・・・もうタイトルからしてステキすぎ。
輝いててまぶしくて見えないくらいです(謎)
なんか・・・切ない中に光るかっちょよさって言うか・・・。
とにかく大好きです☆

スランプですかぁ・・・。
hanaなんて万年スランプっすよ!!
だからあんなに更新が遅くて、あんなお話しか書けないのです・・・(涙)
いやーん圧力かけないでぇぇ〜〜!!
あ・・・でもぱぴ殿からの圧力ならガッチリキャッチしたいかも・・・。
ってゆうか。ぱぴ殿ごとガッチリキャッチ・・・(逃げてください)

んー・・・とりあえず、無理は禁物ですね!!
ゆっくりお茶でも飲んで、くつろぎながら考えてくださいな☆
hanaはいつでも待ってます(笑)
がんばってくだしゃいね☆
2597 第十二話戻の項 2002/1/21(Mon)17:57- 蝶(パピヨン) - 11607 hit(s)



緑色に輝く髪を揺らせてマイは口を開いた
「実は前から調べてる事があってな、今Yukihiro様に協力してもらっておる」
フムフムと式神はうなづくがhydeはきょとんとした表情のままだ
「え?お前知ってたのか!!?」
式神の着物を掴むと複雑な表情のままマイをみた

「hyde様、王子達にこの事を伝えたのは式典のすぐ後だよ
式神は式典の間、私と共にある場所へ出向いていた
だからそう、式神を責めないでやってくれるか?」
式神の着物から腕を放したhydeは自分だけが仲間外れにされているような気分になりながらも「わかってますよ。ボクはこれしきの事で怒るほど心は狭くないんです」そう言いながら笑ってみせた

なんて大人びた子供だろう・・・
マイはhydeを見つめながら思っていた
「すまない、hyde様
では話を続けるが、先ほどyukihiro様にはその能力をもってsakuraの居場所を探ってもらっていたのだよ
sakuraの事は知っておるだろう?」
「えぇ、式神が言っていましたから」
hydeを見つめていた瞳をyukihiroに写し目で合図した

「で?いたんですか?」
hydeがもう一度口を開くとすばやくyukihiroが口をはさんだ
「いない」
「へ!!?」
誰よりも先に声を出したのはマイ
「何ぃ!!?どういうことだ!!」
「・・・やだやだ、キィキィ声出さないでくれる?
いないものはいないんだよ」
yukihiroの言葉に一同何がなんだかわからない様子でいた
誰も『いない』と言う意味がわからないでいたからだ
眉間にしわを寄せ頭の中にある『いない』と言う言葉を理解しようとする

「いないって・・・・」
手を口元にやったまま、マイの瞳はどこを見るともなく動揺していた

「はっきり言っちゃえばこの世に存在しないんだよね
三年前、ちょーどあの式典のあった日に死んぢゃってたんだよ」
yukihiroはたんたんと事のなりゆきを話していった
まったく、と言った表情で両手を上げ首を横にふる

死んでいた?
あの少年に何があった!?
・・・もしや私のせいか・・・・
半透明に透けかかったsakuraに私は手を差し伸べられずにいた
叫んでいたのに・・・あんなにも・・
叫んでいたのに・・・――――――――

yukihiroの話しなどほとんど耳にも入らずにマイは自分を責め始めていた

「・・・、もうこの世にはいないと・・・
これはまたやっかいな」
式神は飄々と遠くを見つめハキハキとした口調で語り始める
「あの歌を覚えておられるか?
『日が九つのぼり人の暗闇が高くなりし時再度降臨しせり』
『正義は悪となし毒蝶は舞う水地風火花に閉じ』
『四の言葉繋げ王にかわる』
黒装束の女が残した歌
三年前の一件、俺・・・いや、私とマイ殿は幻術から自力で逃れることができた
しかし大半のものは我らほどの能力は持ち合わせてはいないであろう
だから幻術から離れられなかった
しかしsakuraという少年は我らよりもハッキリとした意識を持ち、そしてマイ殿にコレは推測だが力を与えた
sakuraを見つけ出せば何らかのきっかけが掴めると思ったのだが・・・・」
式神は何かを考えながら、言葉に意思を乗せずにまだ遠くを見つめつづけている


「振り出しって・・・そう言う意味だったんだ・・・・」
無表情のままtetsuが呟いた



2598 篇心 2002/1/21(Mon)19:36- 蝶(パピヨン) - 11632 hit(s)
そぅ。いつのまにか皆様の更新料が増えていて
感想書くのが間に合わない蝶子でした。
速攻読むので、許してくらさぃ(爆)

愛羅つん
そりゃぁもぅ、マイと式神との間の子は
長寿でしょうに(笑)
愛羅ちゃんに早く活躍してもらいたいなぁ
でもまだまだなんだよねぇ。。
文章書くのが遅くてねぇ、、蝶は。。。(去)

空牙くん
空牙の文章ってすんごくきれいだよねぇ。。。
尊敬しちゃう(惚)
何でそこまできれいに書けるかな!!
ってかんぢよ(^-^)
蝶もがんばらにゃいけませぬぅぅ。。
はぅぅ(無理)(ぇ)

無花果ちょん
あわわ血がっ血がっ!!(フキフキ)
つらつらと書いて行く詩に感想をつけて下さいましてありがたぅございマス(>O<)
あぁ。。調子にのるわよ?蝶は(爆)
がんばって、更新していきましょうかねぇ!!!

hana殿
キャッチしてぇぇぇ(ぢゃんぷ)
華ちゃ(あえてこの漢字)に捕まえられるのならば本望だわ(ぽぽぽ)
先日は蝶のHPに遊びにきてくれてありがとぅね♪
ご安心ください!
確かにワタクシの頁であります(笑)
で、最近烏龍茶にこってるの☆
しかもサン○リーのやつ(爆)
ボトル一本よゆうですぜ!!
2604 第十三話 事の項 2002/1/24(Thu)15:25- 蝶(パピヨン) - 11657 hit(s)


手がかりが全てつぶれた・・・
これからどうすればいい?
あの時助けられなかった私の後悔はどうしたら消化してくれるだろう・・―――――

マイの中の暗闇はだんだんと広がる

「ちょっと、ちょっと、最後まで聞いてよ」
無言の間を縫うようにyukihiroが言った
「まぁ、彼が亡くなった事は真実ってわけぢゃないみたいなんだよね
体がどこにもないからさ」
yukihiroの発言に一同今度は謎につつまれた
「は?体がないってなんや??」
すかさず聞いたのはken、理解不能といった表情でいる

「ほら、死んじゃったら魂はなくても体は残るでしょ
そゆこと」
「・・・、せやからわからんねんソレガ!!」
yukihiroはkenに見下したような視線を送りながら
「ヤダヤダ、言葉も理解できないなんて
まったくこの先どうなっちゃうんだろうねー」
またもケンカごしに言葉を投げかけている
yukihiroの言葉の足らない説明も悪いのだろうがkenはいいようにあそばれる

「うーんとぉ・・、sakuraの亡くなったあとの抜け殻がないんだね?」
二人のやりとりをしばらく眺めていたtetsuだが、ここは一時休戦させないと、と思い会話のなかに入っていった
それに気づいたyukihiroはくるりとtetsuの方へ向き直った
「そぅ、やっぱりtetsuくんだね
彼が亡くなったのは事実、だけど誰も彼の亡くなったあとの抜け殻を見てないんだ
なのに、彼の周りの人たちは死んだということ知っている
いないだけなら行方不明って言う言葉や誘拐の方が正しいと思うんだよね
だから僕は「真実」ぢゃないって言ったんだ」

・・・話しがややこしくなってきたなぁ
僕の頭じゃ理解の範囲を越えるかもしれない
もっと力があればよかったのに・・・・
tetsuの頭は話しを聞きながらフル回転を始めていた
だがまだ九才程度の子供には考えるにしても限界がある

誰もが死んだことを理解してる?
死体もないのに?
誰もが死んだといっている?
彼がこの世にいないといっている??

「なにやらわけがわからなくなってきたな・・・
黒装束の女が起こした一件と謎を解明するのは未来のこの世界を守る王子たちの使命
もうすぐ皆国に帰ってしまう時刻となる
このことは内密にしておくとしましょう」
式神の一言でいったんはお開きになったが
また彼らが集う時は近い











この日から少しずつ奇怪な事件が起こるようになる



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2674 夢の項 2003/3/27(Thu)18:13- 蝶 - 11504 hit(s)











――――なにか・・音が聞こえる・・・――――
苦しそうな音・・・これは・・・??

真っ暗な闇の中にガサガサと動く物の影を見つけた
必死にもがいているようだ

周りがどんなに暗くとも僕の目にははっきりと映っている・・・・
蜘蛛の糸に絡まる哀れな蝶々が・・・
どんなに必死になろうとも抜け出せない・・・動くほどに粘着質の糸が体に絡み付いてくる
まるで・・・・
沈黙の先には蝶々と重なる自分の姿を想像したのだろう
hydeは悲しそうに両手を伸ばし蝶々を救い出そうとした


が、動かない・・・
自分の体が言う事を聞かない!
どんなに、どんなに、どんなに、どんなに、動いてみても何かに捕まったかのように

『くっそ・・・』
力を込めてソレから開放されようともがいた
あの蝶々のように・・・
なんども、なんども、なんども!!

『・・・・』
動けば動くほど自由が利かなくなり苦痛の表情を浮かべながら彼はうなだれた
みると、蜘蛛の糸に絡まった自分の姿・・・
 
『!!?・・・僕・・・が・・・』
何事か理解の出来ない頭の中で反すうするこの言葉・・・
(捕まったのは僕・・?捕らえられたのは僕・・??哀れなのは・・・僕・・・・?)
不意に涙が頬を伝った

手のひらに違和感を覚え自由のきかない体でそっと見てみると、潰れてしまった蝶々が無惨にもその手の中でいきたえている・・・
『なんで・・』
頭の中が真っ白になり空中を仰いだ
『なんで・・なんで・・なんでっっ!!!』
『う”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁぁーーーーーー!!!!!!』
僕はこのままおかしくなってしまうのかとパニックになった頭の片隅でなぜかそう、思えた・・・
 
 
 
 
 
 








 
 
 
 
 
 
 
 
 
――――――「う”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁぁーーーーーー!!!!!!」
「・・あっ・・・・、ハァハァ・・・・???」
(あぁ・・まただ・・・、またやられた・・・・)
広い空間に畳と詰めたい空気が共存する部屋ででhydeは目覚めた
叫び声で深夜の暗闇と空気を振動させながら
先ほどの光景は嫌な夢・・悪夢だったらしく、彼は自分浴衣の胸元を握りしめ、息を荒くしたまま片手で脂汗を拭い取った

「同じ夢だ・・同じ夢・・・・・・・、16歳の誕生日を越えてから何度もこんな夢を・・・・」
額に手をやり軽く爪を噛んだ
「・・・っ」
(なにか思い出しそうな気がするのに・・・)
絡みつく漆黒の恐怖を振り払うかのようにhydeは月明かりを頼りに部屋を出た
 
 
 
 
 
 
 
 
 






 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
あれからまた年月は流れた
幼少の頃の事件など時とともに風化していってしまったのかもしれない・・・・
奇怪な事件が何度か世界を襲おうとも根本的な原因を見失いつつある
世界は平和に慣れ、危機感と言うものをなくしてしまったかのように思える・・・・・

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